2012年03月12日

田中秀臣 上念司:「復興増税」亡国論



震災の時にコレだけはやっちゃイカンという内容を「不退転の決意」で進められてしまっているなあ、読みながらの感想である。

本書は、東日本大震災直後の4月に田中秀臣氏と上念司氏が対談した内容を書き起した出版物である。
ただの出版物ではない。

6月に出版した「コレだけはヤバイよねえ」って内容が、その後現実で起こってしまった。
だから、これ以上は政府と日銀の無策(というか、ある意味暴走)を止めようとして新書サイズにまとめ直した出版である。

デフレ経済で、リーマンショックを受けて足腰が弱った日本に襲いかかった大震災。
その復興を、まさか増税で賄おうとは。。。
いや、やりそうで怖い、という4月の恐れが現実化していく恐怖。
読んでいて、空恐ろしくなる。

日銀を悪者にしすぎなのかもしれないが、延々と20年以上、デフレ政策取られちゃ国民としてやってらんない。

コアコアCPIという指数をよく見て、日銀にもっと金融緩和してもらいたいと本気で思う。


関東大震災時の経済状態と東日本大震災時の経済状態がよく似ているんだそうだ。
そして、15年前の阪神・淡路大震災も、デフレ経済の始まりのころの震災だった。

今回の東日本大震災も含めて、デフレ経済の不況時に震災が起こった。
これに対して、素早く大量の資金を投入して復興することが第一であることは疑う余地がない。

だが、実際に政府がやったことは、予算の組み換えによるショボイ1次補正、そして復興税(所得税、法人税)の増税を決めた。
次は消費税を上げようとしている。
(実は子供手当て関連の扶養控除廃止で、所得税は既に上がっている。住民税は6月から上がるだろう)

関東大震災後の金融引締めで、その後の日本経済がどうなったか。
阪神・淡路大震災後の消費税増税で、日本経済は今に続くデフレ不況だ。
この上増税か。

大事なのは、まず復興。次に増税ではなく、経済成長に伴う税収アップでしょう。
経済成長すれば、増税しなくても税収は上がる。

経済成長を諦めて、延々とインフレ対策を進めているのが日銀だと、この本では激しく非難する。


一概に日銀のせいとは言えないかもしれないだろうけど。
消費税をあのタイミングで5%に引き上げたのは自民党だし、日銀総裁人事にひたすら反対して今の白川総裁への流れを作ったのはオザーさんだし、復興増税を通した上に消費税を上げようとしている総理もいる。


ただ、この本に書いてあるように、日銀を責めたくなる要因は多い。
・不況時に金融緩和をしない。
・量的緩和打ち切りのタイミングを誤った。
 石油価格が含まれるCPI(消費者物価指数)を参考に、デフレ終了を判断したのはイタイ。
 これからは、エネルギー価格を含まないコアコアCPIをよく見よう。
・経済成長や失業率改善の目標なし。当然ペナルティなし。
 政府が総裁の首を切れない。
 (いくら景気を悪くしても、給料減らないし、天下りも止まらない)

巻末の高橋洋一氏のコラムが、ちょうどいい具合で、キチンとまとまっている気がする。
ぜひご一読を。
posted by じゃが〜 at 23:58| Comment(0) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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